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2016-01-02

楽器探しの旅と、出逢い

あけましておめでとうございます。佐藤です。

年の瀬も押し迫った12月30日、人生で何度もないであろう出逢いがありました。
運命の(と言いたくなる)、ギターとの出逢いです。

私はギターを習い始めた9才で親に買ってもらった2万5千円のヤマハギターに始まり、中学3年の時、先生から格安で譲って頂いてお年玉貯金で買った河野20号という国産の手工ギターを経て、会社員の傍らブランクを経てギターを再開した頃に初めて輸入手工ギターのカセレスを購入しました。

そのカセレス君も惚れ込んで弾いてきたのですが、15年経った今、カセレスの師匠であるアルカンヘルというなかなか出回らない名工の楽器に出会うことができたのです。
これが欲しいと思って探していた訳ではないどころか、私はどれも銘柄については名前を知っているという程度の知識しかなく、有名無名にも全くこだわりはなかったのに、この楽器の音を聞くや否や、私はこういう音が好きだったんだ!と、この楽器だと直感したのです。

カセレスとは別のタイプでも良いかな?などと気持ちをフリーに探したのに結果的には、スペインの同じ工房筋のギターに落ち着いたというのも、自分の好みの音を言葉で形容するのは難しいですが、ステップアップした理想のギターに巡り会えたと思えてなりません。

楽器探しの旅は、ともするとどこで終わりにするかの判断が非常に難しくなると思いました。
楽器店に入って、買う気もないのに高価な楽器をあれこれ試奏する心臓は私には無いですが、とりあえず良いものがあれば買う目的で試奏すること、それはとても楽しく、耳の訓練にもなります。
ただそれでも、決め手が見出せないでいると、(名工のビンテージと、新品との間にも、同じ土俵では評価できない価値観があり、その間でも悩み始めます、)
楽器店巡りを続けるうちに、
「私には運命の一本なんて出会えないのではないだろうか。」
「これまで試奏した中で選ぶべきか?」
「でもそれは妥協ということではないか?」
「そもそも私の判断能力自体が、信頼ならないのではないか?」
「かといってネームバリューや有名ギタリストも使っているからという理由に頼るのは、違う。」
「では当面はまだ今のギターを弾き続けるか?」
「いや不足感を抱えながら弾くのはよくない。」
などと、あらゆる思いが去来するのです。
迷宮入りというやつです。

そんな気分に陥った晩、しょっちゅう情報収集と称しSNSやらスマホをいじっている夫がギター販売情報サイトで新着入庫情報を見つけます。
もう出かけるのも面倒になりかけていた私ですが、期待しないで翌朝夫と出向きました。

このお店は2日前にも来ていたところ。アルカンヘル指名で出してもらい、私が弦をボロンと鳴らした瞬間、夫はオッ、コレは!と思ったといいます。
私も弾きながら同じ思いでした。
そうとなったらもう迷いはありません。試奏もそこそこに切り上げ、その後忙しかったですが、夜には我が家にアルカンヘルさん(カセレス君と違い、1968年製で私より年上なので、さん付け)を迎え入れていました。

arcangel

ギターの形もこれまでのととてもよく似ているのです。

嬉しくてやるべきこと全部後回しで、大晦日も元日も弾いていました。これまでそんなに弾かれていなかったのか、ゆっくりと花が開くように、1日1日と、音がますます良く鳴ってくるようです。

そもそも今回のこのギター探しの直接のきっかけはといえば、二重奏の練習で隣から聞こえて来る松山さんのギターがあまりに良い音でショックだったというのがあります。

5年前にもギターショップ巡りをしましたが、カセレスの不具合を修理した事で鳴りが蘇ったのでギター探しは中止しました。それでも今回こうなったのは、自分の耳や腕や何やかやが成長した結果なのだと、そう思いたいです。

このような形で楽器探しの旅に終止符を打つことができ、一緒に見つけ出してくれた夫に感謝ですし、何より、5月の素晴らしい会場でのコンサートで弾けることが楽しみです。


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コメント2件

  • みおう より:

    手に汗握らせる迫真の、一大顛末記。真澄ちゃんの心情と、文章では伝えにくいはずの、楽器の素晴らしさとが、一文一文胸を打ってきます(弾いてくると言うべきか)。夫様もすごい。こういうのを内助の功と言うのか。
    今でも毎日同じときめきですか(アルカンヘルさんに対してね。夫様に対してはよく知っておる)。

  • 佐藤 真澄 より:

    みおうちゃん、ありがとう。だって記事の感想を聞くことはまずないもの。この時の気持ち、伝わっているならうれしいなぁ!

    夫にはこの件のみならず私の活動に多大に協力をしてもらって感謝しています。
    相変わらず朝から晩までスマホをピコピコやってますが、この時以来わたしはそれに文句を言いませぬ。

    アルカンヘルさんには毎日ときめいていますよ。ちなみに、他人の弾く(その人の所有する)アルカンヘルを聴いてもやっぱりいい音だと思う。

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