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2016-04-15

簡単に、自分の来し方

佐藤です。
私の両親は九州の出身ですので、私自身は九州女の血が流れていると思っていますが、千葉で生まれ育ちました。
実家から歩いていけるところでは、幕張メッセが有名ですが、私が子供の頃はただの草ボーボーの埋立地、アサリが採れる浜と、貝殻片の混ざった、転ぶと痛い学校の校庭、真新しい団地群くらいしか記憶にない、なんとも殺風景な土地でした。

学校の写生大会も、被写体を探すのに苦労、というか、ありません。毎年、同じ公園の樹木を描くだけでした。
そんな味わいのない場所で育ったせいか私は郷土愛や故郷という感覚が薄い気がします。
同じ東京近郊でも横浜の人って気質というか誇りがあるように感じます。 でもああいうのは千葉のひとにはないですね(笑)。

まぁ今たまに実家に帰ると、古びはしたけれど殺風景さは相変わらずなところに、これが私の育った場所だというノスタルジーだけは感じるようになりましたが、ずっと、未知の場所に住むのが好き。旅するように生きたい、と思ってきました。(現在は東京都大田区に定住。)

私のヨーロッパへの憧れの原点はこの反動です。
当時のアニメ(フランダースの犬、アルプスの少女ハイジ、キャンディ・キャンディなど)観て、私もいつかここを飛び出して、あんな外国へ行こうと小中高時代を通して思っていました。

で、初めて実行に移したのが19歳、大学2年の夏、一人旅でした。

ローマに初めて降り立って、街中へ向かうバスに乗っている時、教科書でしか知らなかったコロッセオが、突然目の前に現れた時の驚き。 イタリアから夜行列車でフランスに入り、プロヴァンス地方を廻り、それからスイスに向かいレマン湖の街から登山鉄道で山に行き、再びフランス、パリへという旅程を辿りましたが、あの感動と、水一本買うにも緊張した日々は今も鮮明に思い出されます。

19ans

写真を撮ってもらうのも緊張した19才の自分 ローマで

社会人になってからも外国暮らしへの夢はずっと持ち続け、働いてお金を貯めてギター留学しよう、そうすれば大学で学んだ語学も活かせるし。と考えたのが28歳の時。
真面目にフランスの学校に手紙を書いて入学要項も取り寄せましたし。

と、そううまくはいかないのが現実と知るのはまた後の話。かわりに、出会った先生方などに導かれ今に至るわけですが、それでよし。それが私の道だったかなと今は思います。

で、以前の投稿「夢と憧れと…」に繋がるわけですが、夢を持ち続けるのは悪いことではないですよネ。

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コメント4件

  • みおう より:

    ふうん。湘南台も空き地だらけのがらんとした場所だったよ。家が立ち並ぶ今でも決して、魅力のある風景とは言えないけれどね。でも、その空き地、台所の小窓から母が覗ける距離で、秋の夕暮れの空気の冷たさも物ともせずいつまでもいつまでも双子の妹と泥遊びをしていたあの記憶が、私という人間を作る何ものだかのど真ん中にあるんだよね。
    今では「里は海のあるところ(2歳過ぎまでは片瀬江ノ島にいたのでそこまで嘘ではないが)、江ノ島がある、横浜も鎌倉もすぐそこ」などと言いつつ、江ノ島、横浜、鎌倉の住人から嘘つき呼ばわりされないかと、ヒヤヒヤしております。
    ところでギター留学はどうして流れたの?

    • 佐藤 真澄 より:

      湘南台と言えば、この間飲み屋でこんな風に話している人がいた。「こないだ初めて湘南台に行ったんだけど、海ないし、ぜんぜん湘南とイメージ違うんだよ」
      私、学生の時一度遊びに行ったよね、でもあまり覚えていない。確かに幼いころの環境は今の自分を作っていると思う。私はそこから離れたくて仕方なかったけど・・・留学?それに値する実力もなければお金もなかった。若さにかまけてエイやッて行ってもきっとうまくいかなかったろうと思う。

  • みおう より:

    そう、台がつく訳を一考してみれば分かることなのに、余所者は!期待を裏切ってしまって申しわけないではないか。

    留学をしてうまくいったかいかなかったか、それはわからない。人生は選択だから、一度道を(道があったら)選んでしまうと、佇むことはできても、もう後戻りはできないからね。でも、選んだ道が正解だったか否かを決めるのも自分。真澄ちゃんはいつまでもあなたらしい道を、胸を張って前進あるのみなのだと確信しているよ。

    • masuminn より:

      そう「海というよりは山っぽいし、」とか言ってて、そこまで気づいているなら台がつく訳もわかるよねぇ。日本人なんだから。

      留学してなくても立派なギタリストはいっぱいいるし(留学しててもあれっ?ていう人も)経歴(肩書き?)という意味だったら私は要らないんだけど。

      でもやっぱりその音楽の生まれた土地でそこの空気に触れながら音楽をできたら、それは少なからず影響すると思うので、その経験はしたかったなーと思う。今みおうちゃんが暮らすような美しい国でね。いや、日本も美しい、東京も美しいという意見もあるが私はヨーロッパの国がやはり美しいと思う。ところでそうなの、先日の美容師さんの話と同じ。結局選ぶのは自分だから、縁がなかったほうの道は本当にやりたい方ではなかったんだよ、ということで気づかされたんだけど、私は日本にいることを選んだんだな。まわりの要因とか、もっと曖昧な、運命とかのせいではないんだよね。ありがと。

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