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2017-06-12

舞台慣れは、永遠にない

5つ前の記事で書こうと思っていることがある、と書いた件、ようやく文章にしてみます。
舞台に、本番に、緊張に、慣れるということはない、ということです。

一応ことわっておきますと、もともと緊張しないタイプの人がいることも事実。少数ですが「人前で演奏するのに緊張はしない」と話す人に会ったことがあります。

でも普通は誰しも緊張するのが当たり前。人間だもの・・・ と頭では分かっていても、それでも自分だけは特別なあがり症であると思いたいし、それを人にわかってもらいたいんですねー。私はそうでした。

しかも人には私がかなり落ち着いて弾いているように見えるらしい・・・
全然違うのに。ホントはもっと上手く弾けるはずなのに!との思いから、その頃の先生にいかに自分があがり症かを説明するも、先生はただ黙って聞いているだけでした。

皆、同じなんだよときっと言いたかったと思います。
プロは緊張してもちゃんと演奏するからプロなんだ、と気づくまでそれから何年もかかりました。

練習中の椅子を占領する猫

練習中の隙に椅子を占領する猫

さて、本題「舞台に慣れることはない」についてですが、昔は傍からわかるくらい手足が震えたり、手汗をかいたりしていた私も、じきに表立ったものは無くなった、という点では慣れてきたとはいえるかもしれません。

ただ心理的なものは変わらないので、場慣れしようと練習会に参加していた時期がありました。
ところがかえって更にヘンな緊張癖がつき(本番ではないから事前の緊張感はなく、ステージに進み出て椅子に座った途端に緊張しだし、それをコントロールできない)、次があるからまあいいかと演奏は荒れがちになり、私の場合良いことないな、と悟って練習会への参加は止めました。
その頃はもう演奏活動もしていたので、こんな練習会でのざまを見られたら本番聴きに来てもらえなくなる、との危機感からも。

つまり練習会は中途半端な気持ちでしか臨めなかったのです。
アマチュアではなく、プロとして評価されるようになりたいと、誰に言わずとも心の奥底で願っていた私は、これからは人前演奏は本番オンリーにする、と決めました。
場に慣れる訓練をするのではなく、緊張をいかにプラスのエネルギーに変えるかを目指そうと。

以前、ある若きギタリストが「実力を100として本番では60%から良くてせいぜい80%の力しか出せないと考えて、練習では160%くらいをめざす」というようなことを話したか、書かれているのを見聞きして、それは生徒にむけてのアドバイスならわかるけれど、彼ほどの実力ある奏者が自分のこともそう考えているの?とちょっとびっくりしたことがあります。
(60、80、160%という数字は正確でないかもしれません。もう10年位前の話なので)

というのも私は、緊張はマイナス効果よりも、本番でしか出ないプラスの力に転じて、一人で練習しているときにはなしえない演奏、100%以上の演奏になることは有りだと思うからです。

それはスピリチュアルなことではなくて、普段の練習ではテクニックを磨き、作品への理解を深め、表現したい強い気持ちを持ち、イメトレしたりルーティンを作って事前トレーニングしたり、といった準備の先に可能になると信じています。

演奏機会の多いプロのプレイヤーはだから、大変だろうなぁと思います。
練習だけでなく、一年の大部分をそうした緊張の中で生き、慣れに陥らず毎回のクオリティーを保っていくことを想像すると。

私がホームコンサートのような、リラックスした場で弾くのがまだまだ苦手なのも、分かっていただけるでしょうか。
発表会の最後の講師演奏もやりにくいですね。とはいえ、一般の人はそうとは思っていませんから、どんな時も、どんな場所でも弾ける底力がないといけないですね。
まだまだ修行の身であります。

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昨日、大倉山でのギターコンサート(LECGC)を聴きにいった後の打ち上げの席で、練習会に出ていた頃のちょっと懐かしい方々と集まってこんな話になり、お隣にいたカネちゃん(HNで失礼します)がまさに私の考えと同じことを話されていたので、よしっ、書くぞ!となった次第です。

あ~あ、練習しないといけない曲があって先日からちょっと焦っているのに、ブログに時間を費やしてしまった・・・。いや、こういうのは思い立ったとき勢いで書かないと、気持ちが読む人に伝わらないのです。
今を、インスピレーションを大事に・・・!

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自分で扉を開け…ギターで爪とぎ!?こりゃぁーっ!!!

読み返すと全部書ききれていないけれど、今回はこの辺で。

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