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2019-02-08

トレモロとわたし

ギターの名曲、アルハンブラの思い出、に代表されるトレモロ奏法。

初めて聴いた時はどうやって弾いているんだ?!とか二人で弾いているんだろうと思ったという人多いですね。

私は実はそこまで驚いたかどうか、子供だったので記憶も曖昧です。せいぜいきれいだなー、くらいにしか思わなかったのでは。
それよりも、ドメニコーニの「コユンババ」を初めて聴いたときの衝撃のほうが鮮烈だったことをいまだに覚えています。

トレモロの曲も、コユンババも、演奏効果がある曲で、奏法のからくりが分かってしまえば決して超絶技巧を駆使しているわけではなく、練習すればたいていの人が弾ける範囲内だと思います。

とはいえ。
子ども時代に習っていた頃は私、全然出来ませんでした、トレモロ。

ブランク後ギターを再開して手当たり次第昔弾いた曲を弾きまくっていた頃、「フェステ・ラリアーネ」ならトレモロが形になってきた。左手がシンプルだから。

トレモロは第一に右手の問題つまり、粒が均等に揃うか。第二に左手のポジション移動とのタイミング合わせの問題、というのがあると思います。だから左手がシンプルな曲であれば初心者でもわりと弾けます。

ただし、「アルハンブラ」はどうしても2弦を弾く時に1弦を巻き込んで雑音を生じさせてしまい、苦手意識があるまま。

そこで、ミステリアスな感じも気に入ってE.S.デ・ラ・マーサの「暁の鐘」が1弦主体で弾き易く、よく人前でも弾いたけれど、最後までトレモロがキープできない。同じ型を繰り返しているのが苦しくなってくる。・・技術的に何かがまだ足りない。

それで一旦、トレモロ作品は休止ししばらく弾きませんでした。(たまに練習することはあっても。)

他の色々な曲を経たのがよかったか、ようやく昨年はじめて人前でアルハンブラを弾きました。いまさら~ですね。はは。

そして現在、何度か挫折したアグスティン・バリオスの「森に夢見る」を練習中。

人気もあってタイトルどおり夢を見ているような美しい曲なんだけど、必ずしも私が好きなタイプの作品ではない。
が、コンサートにきてくれた友人にリクエストされたという経緯もあり。

相変わらずこれは難しい。まず、左手のポジション移動が多いので暗譜してしまわないと練習にならない。暗譜に時間かかり、そして左手の拡張もワザが要る。脱力は必須。

必ずしも好きなタイプの曲ではないのでなにがなんでも、という気になれず、今までだいたい暗譜前に挫折して封印するというパターン。
あと、20フレット問題。20フレットはふつうギターに付いていないんですけど、この曲には最高音に非常に稀な20フレットの「ド」の音が、でてくるんですねー。一般的な19フレットギターの場合やむなく他の音に替えて弾くのですが、あのドが出せないのなら…というのも、やめる気持ちを促進したかも。

今回やっと暗譜はクリア。そうすると、急に近くなった感じはありますが、人前披露できるレベルまで持って行けるかどうかまだわかりません。

こうしてみると私はずいぶんと長い年月をかけてトレモロ作品と付き合ってきている感がありますねー・・
「森に夢見る」はその集大成かも。

今、生徒さんにもトレモロを教えていて手応えを感じられると楽しいです。すぐ弾けたわけではない私がいろいろやってきたことが教えに繋がっていけば苦労(?)も報われます。

トレモロは向き不向きがあるともいわれ、そう感じる人の録音もありますし、私も向いてないんだろうなーと思ってきましたが、やればできるんじゃないの?とか、今は向き不向きの問題なのか、わからなくなってきました。

やっていて、トレモロって、細かいんだけど、デザインしたとおりの場所に一個一個音を置いていく感じ。と私は思っていて、そこが醍醐味で美しさがきまる。そういう細かい仕事が苦手な人は、トレモロが上手いと評されにくいのだろうか。かといってトレモロ職人におさまりたくもないですね。ダイナミックにスケールでかく、演奏したいですね。

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