映画観に。父のこと思う
先日、従姉妹のSちゃんと(年上だけど、子供の頃はそう呼んでいたから自然とそうなる)17年ぶりに再会。
なんでも昔、まだ独身だった父が兄夫婦の家に居候していて、そこの幼いSちゃん姉妹は、朝ご飯ができると父を起こしに行ったり、父がかけるレコード(父は映画グレンミラー物語を見てトロンボーン吹きになったそうだ、Sちゃん談)に合わせて踊ったりしたそうで、父の名をちゃん付けで呼ぶほどのお兄ちゃん扱いだったようなのです。
通りがかりの子供や犬猫に寄ってこられるような父だったので、わかる気がします。
Sちゃん姉妹は大人になっても今の今まで、ずっと父のことを慕ってくれていたのでした。
娘である自分とは別次元の、慕われようです。
そのSちゃんが、こんな映画が今やっていると教えてくれたのが、ソフィーマルソー主演の「すべてうまくいきますように」。
さっそく観に行ってきました。
映画の最後の台詞が、「すべて順調にいきました。」Tout s’est bien passé (過去形)で、これが原題なんだなと思ったらポスターにはその英訳 Everything went well が。すべてうまくいきました。じゃだめなんだろうな、邦題ってむずかしい。
病で自ら安楽死を望み、娘たちとのやりとりを描いているのですがそれよりもこのお父さん、85才でうちの亡き父とほぼ同じだし、顔の形とか、死を望みながらもどこか呑気な話し方が、なんだか似てるんですね。で、父を重ねて観てしまいました。結果、父の生の全うのしかたをあらためて肯定できたというか。その父をずっと見ていた、母の選択も。
・・その齢にならないとわからないことですなぁ。
だから人生楽しまないと。悩んでいること自体が無駄な時間。そんなひまがあったら少しでも興味のある何かをしよう。だから私も悩みがないわけじゃないけど、山へ行ったりしてるのはその代わりかもしれない。何かの代わりに何かをすれば新たな発見がある。人生は美しい、とは映画の中の台詞。本当にその通りだと思う、し、そうしなければならない。
コメント8件
いえいえ、歳と共に、順番に無くなっていっています。
家や車、息子も遠い存在に、お金も心細く、側にいてくれるのは、ユキだけです。
これが人生かな、と思う今日この頃です。
有難うございます。
特別に知恵も何もない私ですが、こんな私で宜しければ、少しでもお役に立てれば
とても、嬉しいです。
でも、逆に、お若い方達からも、いろいろ学ぶことが多いです。今後とも、宜しくお願いします。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
安楽死は最近フランスで物議を醸している問題なんだよね。ベルギーまで赴かなければいけないのは何故かと。EU圏なのにね。
ある程度まで人生過ごしてくると、長生きは目標ではなくなる気がする。まあこれも、もっと年を重ねたら、視点が変わるのかもしれないが。
大切なのは、私にとって大切なのは、自分の人生を伝えていくことかと。どんな形でもいいんだよ、誰かの記憶の中であれ、音楽を教えたことであれ。
そうしたら、逝く方も見送る方も、納得がいくんじゃないだろうか。
納得のいく人生、これかなあ。
人生は美しい、と、未だに思いたくても思えていない私ですが、確かに、何かを止めれば何か新しい発見がある、と最近、思います。
もしかすると、それが人生、かなとも。何かを得るためには、何かを捨てる、または、諦める、それの連続なんかなーとも。
さっき、eテレで、毎週観ている、明日も晴れ、人生レシピ、という番組で、料理家の、栗原はるみさんが出ておられました。最愛のご主人を亡くされてからも、ご子息の暖かい支えもあり、やりたい事を、全てやらして頂いている、こんな幸せな人生はない、とお話しておられました。
完璧な幸福、そんな人生もあるんだなー、と思ってしまいました。