富士山初登頂 本編
7月29日23:42 御殿場駅着。
ここは標高(というか、海抜?)448mくらい。
ここから3,776m峰を目指します。
支度をととのえて歩き始めます。
東京よりは涼しい?でも湿度あり、汗ばんでくる。
静岡県道23号 滝ヶ原街道をてくてく進みます。しばらく住宅地。
めっちゃワクワクしてる自分。
ここまでペットボトル1本飲んでしまったのでコンビニでおにぎりと爽健美茶を購入。
店員さん、「お気をつけて〜」と言ってくれる。
三日月が上がってきた。星もきれい。
広大な、自衛隊 滝ヶ原駐屯地。
駐屯地を過ぎると、街灯がなくなる。三日月でも明るい。
一応、ヘッドライトと熊鈴を付ける。
流星も見えてテンションあがる。
正面、富士山だよね? 暗いせいか余裕で登れそうなほど小さく見える。
21℃は、陽がさしていないとウォーキングには涼しく快適。
御殿場口新五合目、もうすぐです。
新五合目に着きました。
標高1,450m。御殿場駅から16km、約3時間半かけて緩やかに1,000m登ってきました。
ここまで半袖Tシャツ、ショートパンツで歩いてきたので、コンプレッションタイツを着用、トレッキングポールを準備。おにぎり1個燃料補給。爽健美茶、ウマー。
事務所で入山届けをして協力金千円を支払う。スタッフさんに、「もしかして下から歩いてきました?」と。車で抜かされたのですね。
御殿場口、と書かれたこの鳥居をくぐると、
まもなく森林限界となります。
山頂が。雲が噴煙にも見えたりして…
東の空を振り返る。
煌めいているのは御殿場市街でしょうか。
相模湾と伊豆半島の方向。
ほんのり赤く染まる山頂
太陽が顔を出し始めている辺りは丹沢山地かなぁ?
初めて見る富士山の威容に感動して、早朝にもかかわらず山トモにLINEで写真を送ったりしているこの頃は、あとから思えば随分と余裕がありました。
楽しくてしょうがないワタシ。
ところが足を取られて体力を削がれる砂利道が本格的に始まり、歩みの速度が落ちる。
山中湖が見えてきました。昨年11月に仲間と石割山から大平山にハイク、山中湖畔に下りて歩いたから、形ですぐに分かった。私が富士登山を決めた日。
タフな道。ツワモノたちに抜かされていく私。
といってもみんなきついので、速度はわずかな違い。そのわずがな違いが、長い距離にわたって差が大きくなっていくとわかる。
五合目の小屋で抜いて行った皆さんが休憩している。
私も座ってザックから高カロリー食(ピーナツバターを塗ったパン)を取り出すも、喉を通らない。かろうじて一口だけ食べる。
その時見ていた景色。
また歩き出すも、靴の中の小石を取りたいと立ち止まると、後ろから若い女性に休憩の後って辛いですよね、私も苦手です、と声をかけられる。頑張りましょう〜とお互い笑って私は道を譲る。
専用道路を登ってくる物資運搬専用のブルドーザー。
もの珍しげにガン見していると運転士と目が合った。笑
思えばこの頃もまだ元気だった。
荷台に人も乗っていた。
山で働くスタッフはこれに乗ってあっという間に行くので高山病になると聞きました。
富士山の肩、永宝山。とても寄る余裕はないけれど、プリンスルートという道があるらしく次回行ってみたい。
七合目。ここでも20分ほど休憩。切ってジップロックに入れてきたスイカが命の味。
スイカ500gは重いな、と思ったけど持ってきてよかった。
あと凍らせた水2リットルと水とスポーツドリンクのボトルが2本、その他の荷物が2.9kg(ザック込み)。
もっと少ない荷物で登っている人も沢山見かけたけど、初めてだから防寒具とか削れないし、山ではペットボトルが500円もするというし…。
相模湾と、伊豆半島が綺麗です。飛行機から眺めているみたい。
相模湾にダイビングしに行って、でっかい富士山見て感動したっけな。
この後2時間、写真も撮らずにただただ登る。疲弊は進む。大砂走りという、御殿場ルートの下山専用路を下っている沢山の人が見える。私もあそこで引き返すこともできるんだよ、とか考える。
しかし、とにかく足を前に出していればいつかは着く、と引き続き頂上を目指します。
七合五勺の砂走館でまた20分休憩、靴への小石混入を避けるスパッツを装着。
30分登ると赤岩八合館。標高3,250m。7月7日に行った北岳の標高を超えて、自分最高標高にきましたー。
ここでも20分休憩。眠気が襲ってきて、ザックにもたれて少しウトウトする。
頂上到着は正午頃かと思われ。
ガスが出てきた。が、晴れていると暑いらしいので、涼しくて助かる。それに、登頂さえできれば、もはや眺望などどうでもよい心境。
ウォッチの高度計をチェックしながらあと400メートル、、とか思う。富士山、さすが日本一の山、こんなに長く苦しい登山は初めてだ。そういえば私、御殿場駅から歩いてるんだよね。
下りて来る方々から沢山の励ましの言葉をもらう。それも含めて御殿場ルート、辛いけどいいルートだな。
五条岩のような岩が…
すれ違う人から頂上もうすぐですよ、と声をかけられる。
あの、小さく人が見える辺り?!
この鳥居が御殿場ルートの頂上です‼︎
本当に走って登るトレランの方を何名も見ました。ハイカーは完全にへばっているというのに、信じられん。
頂上から火口を覗いて一瞬見えたけど撮ろうか迷っているうちにあっという間にガスに覆われ、以降全く見えなくなりました。
まぁいいか。
まだ息を切らせつつとりあえず頂上富士館に入ってお昼。おにぎりやパンは喉を通らず水とスイカだけで登ってきたので、カップラーメンお湯込み800円の価値ありです!(ゆで卵は持参)
沸点が低いのでちょっとぬるくて麺もボソボソしているけど、スープものが食べたかったのでとてもありがたい💕
寒くなってきて、この時のために買ったティートンブロスのウインドシェルを着る。薄いのに暖かい。
山頂のお手洗いは使用料300円がPayPayで払えて、とてもきれい。
さて、本当の最高地点、剣ヶ峰(3,776m)へ向かいます。
気温は手元の温度計で、10℃を切っていました。
ここへも、50メートルほどザレた道を上らなくてはならず、もう1ミリも登りたくない私はヘキエキしながらしかし記録のために登る。
眺望真っ白、お鉢巡りを諦めた私は、スバルライン五合目からバスで帰るべく須走口に向かって歩いていると、「お姉さん、お姉さん、」と呼ぶ声。私?!見ると、朝、五合目で休憩後に声をかけられた女性が正面から。しばしお喋り、その場でYAMAP(SNS)を交換し、御殿場ルートで帰るという彼女とお互いの無事下山を願い合ってお別れ。
天候が良ければどんな景色が広がっていたのかなー。
頂上リベンジしに、必ずまた来まーす!
お鉢巡りは1時間はかかるというのも納得。半周する形で、剣ヶ峰から30分で須走口に来ました。
ここから噂の砂走り。砂の上を滑るように駆け降りる。ちょっと楽しい。が、まもなく雨が。迷ったあげく傘を持って来てよかった。レインウェアでは暑くて蒸れただろう。
下るのにも飽きてきた頃、雨が止み山中湖方面に虹がかかっていました。
こちら側(山梨県側)の登山口におりて来ると、静岡県側から入っても入山料2,000円を支払わないといけないと言われました。もちろん喜んで支払いました。
しかし、外国人客や団体さんが多くて、人が多い山が苦手な私は避けたい雰囲気でした。
各方面へのバスが出ているスバルライン五合目も、完全にインバウンドであふれかえる観光地。
本当なら温泉で汗と砂を洗い流し、ビールでも飲みたかった(そんな場所はあるのか?)けれど、すぐに出る高速バスがあったのでそれに乗って東京方面へ帰ってきました。
本日の軌跡(青線)。タイム15時間56分、うち休憩時間2時間13分
水平移動距離33.0km、獲得標高は自己最高の3,447m。地図左上にある精進湖へ下山を目指していましたが、富士山のザレ道では歩くのに普通の山道よりも時間がかかり、到着予測時刻は20時過ぎとなり、どこかで1泊しないと無理という事がわかりました。
高山病は全く大丈夫でした。せっかくザックに入れてあったアミノバイタル パーフェクトエネルギーを飲むのをすっかり忘れていたことに気づく。もうひと踏ん張り、の 7.5合目くらいで摂取していたらなぁ。
🗻おまけ🗻
後日。山トモに富士山初登頂祝いをしていただきました💕✨
ブログ更新、日曜日の半日かかりましたー!富士山の大きさに見合う労力です、笑。
最後までお読みいただいた方にはお疲れさまでした。ありがとうございました。
超長距離超強行の歩き始めは山でさえないじゃん!
いや、何より、おめでとう。感服。素晴らしい。
おかげで、どうにも想像できなかった、富士山の山となりが少し掴めた気がする。
要するにデカいのか。そして周りの山も見える。アルプスの山に登るのと感覚は似ているのかな。
四時四十九分の写真で、日の出が下にも映っている?湖?
一ミリも歩きたくないのにやはり歩く。その根性。
次回は勝手も分かり、少し楽だろうか。下方の虹もよいが、景色全貌が見えるといいね。
布団とるい君がさぞかし気持ちよかったことでしょう。