笹尾根 ふたたび
自分は山道を長く歩けるんだ、とこの年になって発見する。
ありがたい。アウトドアやスポーツとは無縁だった親からもらったこの身体で、せいぜい残りの人生(?) 楽しんでいきたい。
雨降りの月曜日、奥多摩湖から高尾山口まで総距離40km超、累積標高3,000m弱 を完歩。2度目の挑戦でしたが。歩数7万歩超、消費カロリー4,000kcal/日 は我が人生初。
奥多摩らしい、いきなり現れる急登も、まだまだほんの序盤だし慣れてるし。雨ならではの風景を楽しむ。時間や消費カロリーを計算しながら持ってきた食べ物を今はこれが必要、こんな味が美味しく感じる、とか水の消費ペースも考えつつ歩くのも、楽しい。
そもそも急に雨予報に変わったのは2日前。キャンセル料がかかるから、最悪ゲストハウスに泊まってマンガ読んでpizza食べて帰ってくるでもいい。とりあえず行ってみる。
雨と霧で眺望の無い中を、傘をさしたりたたんだりしながら(レインウェアは蒸れるので横なぐりの雨でない限り着ない)、少なくとも、雪道でドサーとシャワーを浴びながら全身ずぶ濡れで歩いた時よりは快適で、幻想的な道が素敵。
鳥の囀りの賑やかさと、乳白色の世界に浮かび上がる鮮やかな新緑やミツバツツジを美しいと思いながら歩くこと10時間。その後、霧はなくなり高尾山口に着くと、迎えてくれたのは朧月。
目的達成感からか、足は疲労しているが体は疲弊はしていない。1月に同じルートを歩こうとしたものの初めに登山口を間違えて時間と体力、気力もロスしつつ同じくらいの距離歩いた時と、あの時は天気はよかったが、満足度が全く違う。
最後の高尾山に登る長い階段でさえ、まだ余力がある、まだ登れるとさえ思うのはドーパミンとかアドレナリンの影響か。
が、さすがに高尾山山頂でこれでゴールだ、と思った途端に足が売り切れるのが不思議。精神面が変わると神経伝達物質の放出も途切れるのか駅までの下山1時間がとても長く感じた。
人間、目標設定って大事なんだな。
蒸し暑い。こんなんで明日、歩ききれるかなー、とかかんがえている。
散歩を終えて、3度目のゲストハウスにチェックインしに行く道すがら、猫のたまに会う。きみは、たま?と声を掛けると、スリスリされた。
こちらは、まる。たぶん、たまとは仲が良くなくて、まるの方が強い。
だからたまはいつも外をほっつき歩いているのか。
前回泊まった時読んでいたきょうの猫村さんの続きを読む。でも3巻目しか読めなかった。なぜなら、スタッフさんらに話しかけられて山のことお喋りしたりするうち、流れでアコギをみんなの前でノリで弾いてしまった。クラギと感覚全然違うし、練習してないから本当は弾きたくないのだが。お酒の影響だ。
これからは軽い気持ちでギターを弾かないよう反省した。
夜遅く、急に泊まりに来た常連さんがみんなに味噌汁を振る舞ってくれる。
ゲストハウス、泊まるたび違って楽しい。
見知らぬ人との交流は本来苦手で求めてはいない私なのだが。
昨夜みんなに味噌汁を振る舞ってくれた方が、4時半に起きてドミトリーでガサゴソ出発準備していた私に気づき、わざわざ見送ってくれた。なんでもその方は奥多摩出身で昔は山も登ったしアルプスも行った(私自身はまだアルプスって何?状態)が、今は杖が必要な身体になってしまって。このゲストハウスに助けられている、という。なるほど、そんな人もいるんだな。またお会いしましょう、とお互い手を振って出発。
こんな天気だから、バスの乗客はわたしひとり。
でも、今日は完走が目的だから気にしない。風がないのがありがたい。雨のおかげで気温も下がって幸いした。
午後3時頃、陣馬山(高尾山域)に入ると
もうゴール間近と思ってしまうがここからも結構長い。がもう2/3は来たし、何度か歩いた道だ。
こんな天候でも登ってる物好きが私の他にもいた。
凍らせたゼリー、いい溶け具合だけど食べたら冷えた。
両手が、握れないほどパンパンにむくんでいる。
足は、長距離に備えて履いた着圧タイツのおかげか、たぶん大丈夫。
それで帰ってから、登山とむくみについて調べた。そういう身体変化の事知るのも楽しい。ちなみに明らかに摂取カロリーよりも消費カロリーの方が高いのに、登山後の体重が2kgも増加。これも筋肉や身体の保水と関係があるらしい。
普段の生活では気にも留めない生命活動、に関心が湧く。
18時。奥多摩湖からの縦走開始から12時間後、高尾山山頂に到達。人気無し。
リベンジしてスッキリ。完全なる自己満足ですが。
また別のお山の長い縦走路、やまのかみに歩かせてもらえるかな。
私も小雨の中の散歩は好きだ。傘は持たないでポンチョだけどね。でも最近雨の山は行かなくなったなあ。
まだ子猫だった怪獣、すると子怪獣か、をクザンと保護しながら(普通なら子供に歩かせない条件下で)歩くのが好きだった(これで山嫌いになったという説が)。
食べたら冷えたゼリーのくだりで怪獣に思いを馳せたのだが、それというのもつい昨夜、給食の思い出という読売こまちのトピックを読んだからだ。冷凍ミカンの話があって、偶然にもその話を怪獣にしたばかりだった。市場でもらった傷んだ蜜柑。食べられるところだけにして冷凍庫にいれていて、それを食べた子怪獣が、体が冷えたと言っててさ(六個くらいも食べたからだろ!)。
トピックで知ったのだが、学校給食って、自治体によって違うんだね。税収の多い自治体、田舎の自治体。。。子供の頃は何も考えずに食べていた。
私自身は給食が大好きだった。が、今食べたらどうかと言うと。。。子供の頃は、家と違うという意味で好きだったのだろうな。
私の学校は、給食センターで作られたものが運ばれてきていた。温かいものは温かく、冷たいものは冷たく供されていたけどね。
この常連さんのような人が働いていてくれたら、旨いお味噌汁が出るのかも。
アコースティックとクラシックは違うのか。まあ旅の恥は搔き捨て。この言葉、普段は好きではないが、こんな恥ならよいではないか。私がその場にいたら、喜んで聞いていると思うし、この人たちも絶対そうだったよ。
それにしても、相変わらずあっぱれだね。そうそう、猫と犬と世界中を旅して回っている人がいるんだよ。これはバイクのはず。
春の山はいいよね。秋もよいが。